アダルトアニメと80年代の企業製作品

アダルトアニメは1980年代に企業化され独自のプロモーションと安定した配給網を駆使して広く一般に秀逸な作品を発表していた。その多様性はとどまることを知らない。

アダルトアニメは1980年代に大きく変貌を遂げます。1970年代に巨匠を中心とした制作スタイルが確立しアニメ制作におけるさまざまな分野のプロフェッショナルが育ちました。それまではどちらかと言えばコミックスを原作とした作品が主流でしたが、この時代小説出版社がそれらを原作としてアダルトアニメ作品をクリエイトしようという試みが起こります。既に巨匠のもとで成果を挙げていたスタッフはフリーランスとして活動しているケースも多く、その優秀なスタッフを中心にして新たな作品作りが開始されます。コミックスを原作としないという点で制作スタイルは一変し、文体のみで表現された原作を熟慮したのち、キャラクターデザインから絵コンテの制作・作画と、ディレクターの創意よりはプロデューサーレベルからの影響が強い企業型アダルトアニメという動きが主流を占め始めるようになります。この作品傾向としては既存の作品よりもストーリーの内容が濃く全体的にクールな印象を受けるのもこの時代の特色で、制作にかかわる人数が以前よりも増員されシーンごとの効果や演出にも細心の注意を払い制作されたところなど、そこにはかつての幼児・児童向けに制作されていたものとは明らかに違う空気感を作品の中に垣間見ることができます。この時期、内容が対極ある「オタク文化」が同時に誕生するのも特筆すべき点ではありますが、60・70年代を通過した当時の若者のアダルトアニメに対するニーズがここで更に高まっていたということが伺えるのかもしれません。

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